入院中の暇つぶし
情報収集や趣味の充実、勉強・・・。回復期、静養ばかりではだんだん心が収まらなくなります。
入院してわかったことは、「人間は幸せに健康的に生きて、人生を楽しみたい」ということ。
人間の三大欲求とされる「食欲」「睡眠欲」「性欲」、そのほかにも「暇」を感じつつ、「学習意欲」「楽しみたい欲」が現れてきたら、それは回復のサインです。
そこで今回は、「入院中の暇つぶし」例をシェアします。参考になれば幸いです。
食事をじっくり味わう(よく噛む)
塩分控えめで、決しておいしいとは言えない入院食。
しかし、「暇と食欲」がかけ合わさると、食事の時間が楽しみになってきます。
暇すぎて時間はたっぷりあるはずなので、これを機に「じっくり味わう」「よく噛む」習慣づくりを始めてはいかがでしょうか。
日本歯科医師会によると、ひと口につき30回以上噛むことが理想とされ、噛まない食事を続けていると、唾液の量が減少し、虫歯や歯周病になりやすくなるそうです。
ちなみに、現代人の噛む回数は10~20回だそうです。
シャワーの時間をじっくり楽しむ
シャワーの時間が与えられたのなら、じっくりと楽しむとよいでしょう。
本来なら10分程度で終わるシャワーですが、温かい湯を感じつつ、全身の細かなところまで、丁寧に洗い流します。
20分くらいかけて、カラダを清めると、その次はドライヤーの時間です。
健康な時は何でもない時間ですが、入院中はなんとも言えない、ゆったりした時間が流れます。
寝る
あまりにも時間が経つのが遅く感じられる時は、寝てしまいましょう。
そもそも入院中は静養が求められていますから、「寝る」ことは「暇つぶし」として良い手段といえます。
ただし、昼に寝過ぎると夜に寝付きにくくなるかもしれません。
私の場合は、睡眠薬も処方してもらったりして、過ごすこともありました。
筋トレ&ストレッチ
入院すると、とにかく筋力が低下します。特に太ももでしょうか。
体調次第ですが、回復後の速やかな社会復帰を考えると、筋力トレーニング(筋トレ)とストレッチ体操は重要に思えます。
ベッド上でもできるストレッチがあるので、医師や看護士に相談の上、ネット検索しながら試してみるとよいと思います。
あと、これも体調次第ですが、「歩く」時間は大切に思えます。
歩くと、太ももの強化はもちろん、全身の筋肉がほぐれていく感覚があるからです。
私の場合は、規則で病室から外に出られなかったので、狭い病室内で少しずつ歩行練習を始めました。
日光浴
私は回復期、病室に陽が射す時間帯を見つけて、1日15分〜20分間日光浴をしていました。
日光浴をすると、体内でビタミンDが生成されるからです。
ビタミンDは、骨の生育に必須な血中のカルシウム濃度を高める作用のほか、免疫作用を高めたり、さまざまな病気の予防効果があります。
読書
「読書」は事例に挙げずとも、暇つぶしの方法として思いつくことでしょう。
読書して眠たくなれば、スムーズに寝ることもできます。静養のためにも良い方法です。
印刷された本のほか、読書アプリ、青空文庫サイト(無料)などがあります。
情報収集
入院中は社会から隔離されていますので、世間がどのように進んでいるのかが気になります。
ニュースサイトを閲覧したり、私は多くのコラムがまとめられている、「たて書きコラム」というアプリを入れて読んでいました。
写経
とにかく暇なので、心の修練ということで、写経(般若心経)もやりました。
字を書く習慣が少なくなっているため、最初は筆圧が安定しませんでした。
しかし、徐々に字がまとまってくる感覚が味わえて楽しかったです。
漢字の正しい書き順を調べながら写経すると、なお時間がつぶせる上に、学習価値も深まって良かったかもしれません。
美文字の研究と練習
YouTubeを観ると、美文字のノウハウが無料で公開されています。
字を書く機会が少なくなったとはいえ、字を書かなくてはならない時があります。
社会復帰を考えて美文字を研究し、練習しながら暇をつぶしました。
大人っぽい字というのか、自己表現の幅を広げる意味でも、美文字は価値があると思いました。
お経を聴く
なぜ入院してしまったのだろう・・・と考え始めると、どうしても入院中は「心と向き合う」時間が生まれます。
私の場合は、心と向き合う時間を「心の修練」と捉え、お経を聴くことにしました。
幸い、お経アプリがインストールできたので、般若心経など、お坊さんの声を目をつぶって聴いていました。
お経を聴いた後は、何かすっきりした気分になったから不思議です。
絵を描く
絵はあまり得意ではないのですが、入院中は本当に暇すぎて、「絵でも描いてみるか」という気になりました。
絵と言っても、「何をどのように描くか」を考える必要があると思いました。
そこで試したのが「点描画」。
ひたすら「点」を紙の上に書いて(打って)、絵を描くことにしました。
短い線ですら点の集まりで表現し、濃淡は点の密度で表します。
絵心がない私ですが、「点」をひたすら打ち続けることで、一つの絵になったので感動しました。
折り紙
暇つぶしとして、「折り紙」も試しました。
折り紙について経験がなく、不器用ということもあって、鶴を一羽折ってやめましたが、時間をつぶすにはよいと思います。
例えば、誰かのために「千羽鶴をつくる」という目標でもよいかもしれません。
ネットで調べて、多種多様な折り紙を学んでもよいでしょう。
集中できれば、時間もあっという間に過ぎていきます。
「創作物が形で残る」のが折り紙の良さでしょう。
音楽鑑賞
音楽鑑賞といえば、今の時代ならスマートフォン(スマホ)の活用を指すかもしれません。
入院中は孤独を感じますし、音楽は本当に心を癒やしてくれます。
日頃から音楽好きの方は、スマホにたくさん曲が保存されているでしょうから、相当な暇つぶしができます。
ヒーリングサウンドを聴く
入院中、ステロイド点滴を受けたせいか、夜に寝付きにくく苦労しました。
睡眠薬にたよってもよいのですが、「ヒーリングサウンド」というジャンルがあることを知り、試してみました。
波の音、森の音、水の音など、自然を感じさせる音が癒やしのサウンドになるようです。
目をつぶってヒーリングサウンドを聴いていましたが、気持ちがよくなって眠りに落ちたのは始めての経験でした。
クロスワード
クロスワードは入院中の「暇つぶし」ツールとして、定番かもしれません。
院内のコンビニなら、「クロスワード」と書かれた冊子を購入することができます(病室から出られない場合は、看護士に購入を頼むことができるようです)。
クロスワードに懸賞応募が付くなら、夢が広がりますね。
テレビ鑑賞
病室にある暇つぶしツールの代表格といえば、「テレビ」でしょう。
テレビはとくかく長時間活用しましたが、いくつか気づいた点があります。
回復期になると、食欲が増してくるので、料理番組に興味が出てくること。
番組表をチェックすることは、未来に「楽しみ」を見出すこと。
ニュースは意外と同じ内容の使い回しだということ。
入院前は、インターネットを活用してYouTubeばかりを観ていましたが、テレビしか観られない人たちもいるのです。
そんなことを考えていると、番組表及び番組制作社に感謝の気持ちが湧いてきました。
Amazon Primeサービス
入院中では、一番恵まれたサービスの一つかもしれません。
Amazon Prime(アマゾン・プライム)に加入済みで、且つ病院内でWi-Fi(ネット接続)が使えるなら、プライム会員の利用範囲内で「Amazon music-音楽聴き放題」「Amazon Prime Video-映画見放題」「Kindle-Amazon Prime Reading-読書し放題」です。
私の入院先では、Wi-Fi(ネット接続)がなかったので、やむ無く数日「5G通信」で接続して楽しみました。
映画1本で2時間ほど、音楽ならアルバム1枚で1時間くらいはつぶせます。
通信データ量を考えると、一番コスパがよいのは、「Kindle-Amazon Prime Reading-読書し放題」かもしれません。
興味がある本があれば、ダウンロードしてスマホ上で読書することができます。
スマホゲーム
入院中、「(若い時に)やってて良かった!」と思ったのが麻雀(マージャン)です。
麻雀アプリをスマートフォンに入れておけば、1回のゲームであっという間に30分くらいは過ぎます。
麻雀経験者はお分かりだと思いますが、麻雀は「(運の)流れに乗る」「あがり役を狙う」「振込みを避ける」など、頭脳と集中力を要するゲームです。
「入院中の暇を機に、麻雀をおぼえる」のもアリだと思います。
また、麻雀牌を使ったゲームでオススメなのが「四川省(アプリ)」です。
麻雀牌を使っているというだけで、麻雀とは全く関係ないルールで、同じマークの牌をつなげるゲームです。
入院中の暇つぶしに、「四川省」は一番役だったかもしれません。
牌を消す順番など、レベルが高くなると先読みや計画性が求められるゲームになります。
川柳を考える
入院中に思い付いた事、教訓などを「5字・7字・5字」を目安に言葉にまとめ、「川柳」をつくってはいかがでしょうか。
私の場合は、ハーモニカの演奏が趣味の一つだったことから、次のような川柳を考えました。
悔やまれる
ハモニカあれば
ひまナシナシ
ハーモニカが一つあれば、どれだけ時間がつぶせるだろうかと、ハーモニカを持参していなかったことを川柳で嘆きました。
できた川柳は、Twitter(ツイッター)に投稿しました。
すると、私をフォローしてくれているハーモニカ仲間から温かいメッセージが届き、とても励まされたのでした。
川柳一つをとっても、創作活動です。
回復期の暇つぶしを創作時間に充てるのは、大変意義のある事だと思います。
楽器演奏
相部屋だと難しいですが、手軽な楽器で演奏するのも暇つぶしにオススメです。
私がオススメする手軽な楽器は「ハーモニカ」です。
理由だけでたくさん語ってしまいそうですが、要点は次のとおりです。
2,000円〜4,000円で購入でき、比較的安価な楽器であること。
吹き吸いするだけで、初日からきれいな音が楽しめること。
ポケットに入れて持ち運べること。
入院中の暇つぶしは、考え方によっては「趣味を得るチャンス」「趣味充実のチャンス」なのです。
学習アプリ
私は「入院中に何か身につけて退院しよう!」と決めました。
設定した目標は、英単語1,000語を覚えること。
「退院まであと●日だから、1日●語覚えよう!」と決めて、英単語学習アプリで毎日学びました。
退院後、覚えた英単語がどれだけ役立つかはわかりません。
しかし、何かを身につけようとする姿勢が入院中の「孤独と暇」を緩和しくれるように思えました。
英単語以外には、漢字や資格の勉強もよいかも知れません。
後記
2021年8月30日〜2021年9月8日まで、新型コロナウイルスのため、体温38-39度超え。肺炎が悪化し、9月28日まで入院しました。
回復とともに、趣味のハーモニカが吹きたくてたまらなくなりました。
ハーモニカは私にとっては健康薬のひとつだと、あらためて気づかされました。