ブルースハープで「ドレミファソラシド」

ドレミファソラシド(音階)

ブルースハープ(テンホールズハーモニカ)を初めて購入した時、あなたはどんな事を思いましたか?

私はとにかく音を出してみたくて、「とりあえず、ドレミファソラシド!」という勢いだけでした^^;

そこで今回のテーマは、「いろんなドレミファソラシド」。

テンホールズハーモニカ(ブルースハープ)でのドレミファソラシドは奥が深い!

人の顔は、横から見るのと、正面から見るのとでは、ぜんぜん印象がちがいますよね。

ドレミファソラシドも同じです。アプローチ次第で、ガラッと印象が変わります。

基礎練習にもオススメです。ぜひ、いろいろなドレミファソラシドを楽しんでみましょう!

 

◆表記説明

ハーモニカは左から「1,2,3,4・・・、9,10」のように番号が振られています。

このページでは、「4の表記では、4番穴を【吹く】」「④の表記では、4番穴を【吸う】」という意味で示します。

※ここでは、C調のハーモニカを使いましょう。

 

レベル1 第2オクターブゆっくり往復

第2オクターブで「ゆっくりドレミファソラシド(往復)」。

慣れないうちは、となりの音が混ざって、きれいに音が出ないものです。

練習を続けると、成長が実感できて楽しくなっていきます。

4(ド) → ④(レ) → 5(ミ) → ⑤(ファ) → 6(ソ) → ⑥(ラ) → ⑦(シ) → 7(ド)

7(ド) → ⑦(シ) → ⑥(ラ) → 6(ソ) → ⑤(ファ) → 5(ミ) → ④(レ) → 4(ド)

 

レベル2 第2オクターブ速く往復

レベル1の発展です。滑らかに、クリアな音でドレミファソラシド。スピードを変えると、難しさも変わってきます。ウォーミングアップや、速吹き練習にオススメです。

4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7

7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4

 

レベル3 第2オクターブ抑揚つけて往復

ここで言う「抑揚」は、音階の1つひとつに「小さな音→大きな音」の表現を加えるイメージです。

「強弱」と解釈してもよいかと思います。

4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7

7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4

 

レベル4 第2オクターブ、ハンドビブラートで装飾往復

「ハンドビブラート」とは、手をパタパタさせて、音にゆらぎを与える奏法です。

ハンドビブラートは効果的に使うと、味のある音になります。

4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7

7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4

 

レベル5 第1オクターブゆっくり往復

第1オクターブで「ゆっくりドレミファソラシド(往復)」。

「ベンド」という方法で音をつくる必要があります。

慣れないうち難しいですが、第1オクターブでドレミファソラシドができるようになると、「ブルース」「哀愁」を感じさせる音にハマり始めるでしょう(^.^)

1(ド) → ①(レ) → 2(ミ) → ②ベンド(ファ) → 3(ソ) → ③ベンド(ラ) → ③(シ) → 4(ド)

4(ド) → ③(シ) → ③ベンド(ラ) → 3(ソ) → ②ベンド(ファ) → 2(ミ) → ①(レ) → 1(ド)

言葉でつかむ、ブルースハープ「ベンド」のコツ

 

レベル6 第1オクターブ速く往復

レベル5の発展です。ベンド音も滑らかに奏でて、素早いドレミファソラシドを目指しましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4

4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル7 第1オクターブ抑揚つけて往復

ベンド音で「哀愁」を探りながら、抑揚付きのドレミファソラシドを目指しましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4

4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル8 第1オクターブ、ハンドビブラートで装飾往復

ハンドビブラートなら、ベンド音にも簡単にゆらぎを与えることができます。

音の変化を楽しみましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4

4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル9 第3オクターブゆっくり往復

第3オクターブで「ゆっくりドレミファソラシド(往復)」。

慣れないうちは、高音域でクリアな音を出すのは困難です。

特に難しいのは、10番穴の吹音ベンド。

吹込み口を狭めて、複式呼吸ともに吹き込んで音を下げるイメージです。

7(ド) → ⑧(レ) → 8(ミ) → ⑨(ファ) → 9(ソ) → ⑩(ラ) → 10ベンド(シ) → 10(ド)

10(ド) → 10ベンド(シ) → ⑩(ラ) → 9(ソ) → ⑨(ファ) → 8(ミ) → ⑧(レ) → 7(ド)

 

レベル10 第3オクターブ速く往復

レベル9の発展です。10番穴の吹き音ベンドもマスターして、滑らかで素早いドレミファソラシドを奏でましょう。

7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7

 

レベル11 第3オクターブ抑揚つけて往復

実は、吹音ベンドは10番穴だけでなく、8番穴、9番穴でも可能です。

これを利用して、音に抑揚を持たせて、ドレミファソラシドを楽しんでみましょう。

※抑揚といよりも音に加えるアクセントのイメージですが、よい練習になります。

7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7

 

レベル12 第3オクターブ、ハンドビブラートで装飾往復

仕上げのつもりでハンドビブラートで音を装飾しつつ、ドレミファソラシドを楽しみましょう。

7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7

 

レベル13 第1〜第3オクターブのゆっくり往復

いよいよ総まとめです。第1、第2、第3オクターブをつなげて、3オクターブにわたってドレミファソラシドを完成させましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル14 第1〜第3オクターブ速く往復

総まとめの発展です。3オクターブにわたって、滑らかに素早くドレミファソラシドを演奏しましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル15 第1〜第3オクターブ抑揚つけて往復

3オクターブにわたるドレミファソラシド。ベンドを復習しつつ、抑揚を楽しみましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル16 第1〜第3オクターブ、ハンドビブラートで装飾往復

3オクターブにわたるドレミファソラシドの最終仕上げです。ハンドビブラートできれいなゆらぎを表現しましょう。

1 → ① → 2 → ②ベンド → 3 → ③ベンド → ③ → 4 → ④ → 5 → ⑤ → 6 → ⑥ → ⑦ → 7 → ⑧ → 8 → ⑨ → 9 → ⑩ → 10ベンド → 10

10 → 10ベンド → ⑩ → 9 → ⑨ → 8 → ⑧ → 7 → ⑦ → ⑥ → 6 → ⑤ → 5 → ④ → 4 → ③ → ③ベンド → 3 → ②ベンド → 2 → ① → 1

 

レベル17 第2オクターブ、タングブロックでゆっくり往復

タングブロック奏法で、第2オクターブで「ゆっくりドレミファソラシド(往復)」を演奏しましょう。

タングブロック奏法とは、舌で穴をふさいで音を出す奏法です。

たとえば、「4(ド)」を出すのに、「2番穴・3番穴」を舌でふさぎ、「4番穴」だけ音が出るようにします。※表記例:(2・3)4

(2・3)4 → (②・③)④ → (3・4)5 → (③・④)⑤ → (4・5)6 → (④・⑤)⑥ → (⑤・⑥)⑦ → (5・6)7

(5・6)7 → (⑤・⑥)⑦ → (④・⑤)⑥ → (4・5)6 → (③・④)⑤ → (3・4)5 → (②・③)④ → (2・3)4

 

レベル18 第2オクターブ、タングブロックで速く往復

タングブロック奏法で、滑らかに素早くドレミファソラシドを演奏しましょう。

(2・3)4 → (②・③)④ → (3・4)5 → (③・④)⑤ → (4・5)6 → (④・⑤)⑥ → (⑤・⑥)⑦ → (5・6)7

(5・6)7 → (⑤・⑥)⑦ → (④・⑤)⑥ → (4・5)6 → (③・④)⑤ → (3・4)5 → (②・③)④ → (2・3)4

 

レベル19 第2オクターブ、タングブロック・ベース付きでゆっくり往復

タングブロック奏法らしさを追求するため、舌でふさいでいた穴を開放して、和音(ここではベースと言う)を追加してドレミファソラシドを楽しみましょう。

◆後打ちベース

(2・3)4→2・3・4 → (②・③)④→②・③・④ → (3・4)5→3・4・5 → (③・④)⑤→③・④・⑤ → (4・5)6→4・5・6 → (④・⑤)⑥→④・⑤・⑥ → (⑤・⑥)⑦→⑤・⑥・⑦ → (5・6)7→5・6・7

(5・6)7→5・6・7 → (⑤・⑥)⑦→⑤・⑥・⑦ → (④・⑤)⑥→④・⑤・⑥ → (4・5)6→4・5・6 → (③・④)⑤→③・④・⑤ → (3・4)5→3・4・5 → (②・③)④→②・③・④ → (2・3)4→2・3・4

◆先打ちベース

2・3・4→(2・3)4 → ②・③・④→(②・③)④ → 3・4・5→(3・4)5 → ③・④・⑤→(③・④)⑤ → 4・5・6→(4・5)6 → ④・⑤・⑥→(④・⑤)⑥ → ⑤・⑥・⑦→(⑤・⑥)⑦ → 5・6・7→(5・6)7

5・6・7→(5・6)7 → ⑤・⑥・⑦→(⑤・⑥)⑦ → ④・⑤・⑥→(④・⑤)⑥ → 4・5・6→(4・5)6 → ③・④・⑤→(③・④)⑤ → 3・4・5→(3・4)5 → ②・③・④→(②・③)④ → 2・3・4→(2・3)4

 

レベル20 第2オクターブ、タングブロック・ベース付きで速く往復

タングブロック奏法で、滑らかにクリアな音を出しつつ、和音を刻んで「ドレミファソラシド」を演奏しましょう。

(2・3)4→2・3・4 → (②・③)④→②・③・④ → (3・4)5→3・4・5 → (③・④)⑤→③・④・⑤ → (4・5)6→4・5・6 → (④・⑤)⑥→④・⑤・⑥ → (⑤・⑥)⑦→⑤・⑥・⑦ → (5・6)7→5・6・7

(5・6)7→5・6・7 → (⑤・⑥)⑦→⑤・⑥・⑦ → (④・⑤)⑥→④・⑤・⑥ → (4・5)6→4・5・6 → (③・④)⑤→③・④・⑤ → (3・4)5→3・4・5 → (②・③)④→②・③・④ → (2・3)4→2・3・4

 

まとめ

今回は、ブルースハープ(テンホールズハーモニカ)独特の、楽しさいっぱいの「ドレミファソラシド」を紹介しました。

「ドレミファソラシド」と言っても、アプローチ次第でガラッと印象も、難しさも、楽しさも違ってきます。

クリアな音を練習するもよし、和音やスムーズなベンド音を練習するもよしです。

今回は割愛しましたが、オーバーブロー・オーバードローで奏でる半音階(「レ♯=ミ♭」など)、タングブロック奏法でのベンド音などあって、「ドレミファソラシド」をテーマにまだまだ深堀りできます。

音を出して楽しむこと、まさに「音楽」ですね!