「第4回 10秒間で鷲づかみ!杯」を振り返って

第4回 10秒間で鷲づかみ!杯

ハーモニカorアコーディオンを演奏し、聴き手の心を鷲づかみにする、オンライン・コンテスト『10秒間で鷲づかみ!杯』。早いもので、当コンテストは4回目となり、この度も構想から演奏、動画編集まで大いに楽しませてもらいました。

思い返せば第1回。「10秒」という制限が、心理的ハードルを大きく下げてくれました。この「10秒」がなければ、おそらく一生コンテストに参加することはなかったでしょう。

そして第4回ですが、回を重ねても「気軽なエントリー」は全く変わっていません。変わった(成長した⁈)とすれば、「ハーモニカで”新しい何か”を表現したい」という欲望が増したことでしょうか。

コンテストに対する欲望といえば、一般的には「自慢の演奏力」を指すでしょう。しかし、コンテストに「気軽」という要素が混じると「通りすがりの参加OK!みたいな音楽祭」に早変わり。「通りすがり感」が実に奥深く、面白い点なのです。

そして次の段階。音楽祭…つまり「お祭り」となれば、他には無さそうなモノを出してみたくなるもの。私の場合は技術で勝負できないので、「ハーモニカを使った新鮮なモノ」ということになります。

 

「新しさとは何?」

この問いは「沼」です。楽しみあふれる沼ですが、沼は沼です。時間ばかりが過ぎていきますね。結局、ハーモニカを片手にどうにか沼から抜け出す方法を探さなくてはなりません。

沼から脱出、つまり「新しさとは?」の答えは、「組み合わせ」と考えています。「ハーモニカと、何かと何かを組み合わせる」というアプローチです。

 

第4回 10秒間で鷲づかみ!杯 ハーモニカ部門・エントリー動画

「組み合わせ」という視点で今回の作品を考えてみると実に面白いので、全くの主観ながらまとめてみました!

※エントリー動画をまだ観ていない方は、ぜひ、こちら(エントリー動画 No.1~9) をご覧ください。

 

★エントリーNo.1
 – 音楽に垣根はない!
(Bonbo Yaryaさん)

この動画は私的に衝撃が強すぎました。おそらく世界広しといえども、同様の動画は極めて珍しいです。とにかくチャレンジ精神に脱帽で、かなり好きな作品。

組み合わせは、「ハーモニカ」「スキューバーダイビング」「水中演奏」に思えました。一度は観てほしい作品です。

 

★エントリーNo.2
 – 探せ!
(缶がえる)

当方のエントリー作品の一つ。有り難いことに「クリエイティブ賞」ならびに「審査員特別賞」を拝受しました。

組み合わせは、「ハーモニカ」「赤トンボ(TOMBOにもかけた)」「トンボ探し(参加型)」となっています。30秒以内というゲーム性(参加型)が良かったようです。

 

★エントリーNo.3
 – 紅葉(もみじ)
(缶がえる)

当方のエントリー作品二本目。エントリー時期が秋だったこともあり、「ハーモニカ」「秋の風物詩(紅葉)」「景観」の組み合わせとなっています。

「紅葉」の美しさを映像の力も借りて表現したつもりでしたが、意外性やインパクトが不足。結果的に地味な作品だったかなと振り返りました。

 

★エントリーNo.4
 – もろびとこぞりて
(缶がえる)

当方、三本目のエントリー作品。タングブロック奏法の練習曲として、一年くらいかけて時々練習していた「もろびとこぞりて」を選択。

持てる技術の多くを盛り込んだ作品ながら、組み合わせで考えると、意外と幅が狭く「ハーモニカ」「クリスマス」。結果的に、新規性やインパクトという面で低出力だったかな〜と、反省点も見つかりました。

 

★エントリーNo.5 
- Love is over by Folk Blues
(Bonbo Yaryaさん)

トンボ社の機種「Folk Blues」で、昭和の大名曲「ラヴ・イズ・オーヴァー」を演奏した作品。

私から言わせると、これこそ「ザ・鷲づかみ!」です。「こんなに”雰囲気”が味わえるのに、30秒しか経ってないのぉ⁈」みたいな驚きがあり、演奏後に押し寄せるインパクトがたまりません!

組み合わせを考えると、「ブルースハーモニカが醸し出す雰囲気」「曲が醸し出す大人の世界観」さらに「グランドピアノの伴奏」になるでしょう。

ブルースハーモニカでの雰囲気づくりとは、機種「Folk Blues」のポテンシャルを引き出す確かな演奏技術力であり、「トンボ楽器賞」受賞には深くうなづけました。

 

★エントリーNo.6 
- Seeds of Life – Harmonica, Ukulele & Bass Pedals
(WASUKEさん)

異次元の演奏といえば、私の中ではダントツでWASUKEさん。今回は、コスモ石油のオリジナルテーマソングを演奏されています。

組み合わせを考えてみると、まず「ハーモニカ」、そこに「ウクレレ」「足鍵盤」からの「一人で同時演奏」。

この段階で脱帽レベルなのですが、さらに「楽曲の世界観」「楽器ごとの音色」が掛け合わさってくるので、「鷲づかみのインパクト」は確定ですね。

フロンティア賞は次点評価でしたが、オーディエンス賞、トータルビュー賞を受賞されており、圧倒的なポテンシャルを感じました。

 

★エントリーNo.7 – 
しずかな聖夜はいやだ!
(Bonbo Yaryaさん)

課題曲「きよしこの夜」のRock.verということで、「バンド仲間との演奏」が光る作品。

なんだろう…余韻がたまらないです。音楽って、仲間っていいな…という本当に30秒での伝達力がハンパない。

組み合わせでは見えてこない凄みがありますが、一応考えると「ハーモニカ」「バンド仲間」「バンド演奏」「音楽っていいよね」というところでしょうか。

「音楽」をベースに、「テーマと伝達」が絶妙に編み込んである感じがして、サービス精神や優しさも勝手ながら感じています。ベストパフォーマンス賞、課題曲賞を受賞されており、これもまた納得の結果でした。

 

★エントリーNo.8
 – 落陽(吉田拓郎)
(は~ぽん・りり~さん)

「あぁ、これこれ!」と思えるハーモニカの音色。私にとっては、とても落ち着く雰囲気です。

やっぱりハーモニカがいいな〜と思いながら、実にゆったりとした時間が流れます。ゆったりなのに経過はたったの30秒。本当に不思議な世界です。

組み合わせを考えると、「ハーモニカ」「少なめな音数(シンプル)」「似たフレーズの繰り返し」「音色に集中」でしょうか。

私もいつか「落ち着く音」を表現できるようになりたいです。

 

★エントリーNo.9 – 
Silent Night – Harmonica & Ukulele
(WASUKEさん)

WASUKEさんの作品。組み合わせを考えてみると、「ハーモニカ」「ウクレレ」「課題曲/きよしこの夜(Silent night)」と、WASUKEさんにしては少なめのコンボですが、綺麗な音を響かせるための配慮がすごいです。

作品説明に「癒やしの音楽」と記載があるとおり、本当に癒されるサウンド。「音楽での表現は奥が深い…」とあらためて考えさせられた作品です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。組み合わせを考えると、「自分なりの勝負どころ」が見えてきませんか?

次回のコンテストが待ち遠しいところですが、そこはグッとこらえて日々の練習を楽しみたいと思います。

 

P.S. 今回の受賞により、TFC-On-Line の会員ランクがシルバーとなり、トンボ社99 周年を記念して限定販売された「複音ハーモニカ」をいただきました。ありがとうございます!

トンボ社99周年を記念して限定販売された「複音ハーモニカ」

クリエイティブ賞では、トンボ社「エアロリード」を選ばせていただきました。メタルボディ、ブラスカバー。素材にこだわったプロフェッショナル仕様、と言われるだけあって存在感のある機種です。こちらもありがとうございました!

エアロリード

素晴らしい企画を実施されている、株式会社トンボ楽器製作所さんへは心より感謝申し上げます。