「カエル、万事塞翁が馬」からの草競馬♪
むかしむかし、ある砦に近いところに
老ガエルとその息子が住んでいました。
ある日、老ガエルの馬が遊牧民族の地へ
逃げて行ってしまいました。
ご近所のカエル達は、馬がいなくなった事を
悲しんでいるだろうと思いました。
しかし、老ガエルは
「いやいや・・・」
「これが幸福になるかもしれないのだよ」
と、ゲコゲコ笑っています。
そして、数ヵ月後、その馬が逃げていった地の
良馬を連れて帰ってきました。
しかし、老ガエルは
「もしや・・・」
「これが不幸の元になるかも知れぬ・・・」
と心配したのでした。
老ガエルが言ったとおり、
その連れ帰ってきた馬に乗っていた息子が
落馬してしまい、股(もも)の骨を折る大怪我を
してしまったのです。
それでも、老ガエルは
「もしかしたら・・・」
「これは幸福だったのかも・・・」
とゲコゲコしゃべります。
その年、老ガエル達の近くの砦に
突如、外来種が攻め込んできました。
在来種アマガエルと外来種ウシガエルによる
大きな戦(いくさ)の始まりです。
その砦に住む若ガエル達は戦に借り出され、
そのほとんどが戦死してしまいました。
しかし、そんな中、老ガエルの息子は
骨折していたために、
動くことができませんでした。
幸いにも、動くものを食らうウシガエルの
標的とならず、無事に生き残ったのでした。
翌年、また馬が逃げましたが、
またしても、ピンチはチャンス。
また、逃げた馬が良馬を連れて帰ってきました。
老ガエルは言います。
「草競馬ができるのぉ、むぅ・・・」
「これが不幸の元になるかも知れぬ・・・」
と苦笑いの表情を浮かべたのでした。
ギャンブルには自信がなかったのかもしれません。
何かが起こった時、ぱっと見は、
幸福に思えるかもしれない。
しかし、その後、災いになることがある。
ぱっと見、災いに思えても、
実は幸福になる転機だったりする。
人間の幸不幸はわからないもの。
草競馬を楽しむくらいの気持ちで、
ゆったりと、気楽に生きていこう。
◆参考
人間万事塞翁が馬
にんげんばんじさいおうがうま